加茂桐簞笥ができるまで
日本全国の生産数7割を誇る「加茂桐簞笥」
桐簞笥を作る産地は他にもありますが、桐の原木を製材するところから一貫生産するのは加茂市のみ。
桐の特性を熟知する職人の知恵だからこそ、高級品質の桐簞笥が出来上がります。
桐の原木
日本各地に桐簞笥の産地はありますが、原木から製材する工場が集まっているのは加茂産地だけなのです。他では桐板と話をすると例えられている簞笥づくりも、加茂桐簞笥づくりは「丸太と話をする」と言われる所以です。
原木製材
原木を製材します。原木に合わせて部材を作っていくため、精密で美しい、良質の簞笥が出来上がります。
板干し
製材後、約3年間天然乾燥します。定期的に掛け替えを行い、満遍なく天日に当て、雨風に晒すことで、渋を抜き、変色を防ぎ狂いもなくなります。広大な土地と労力が必要としますが、これほどの規模の板干しは加茂産地ならはの風景です。
木取り
木目·材質を考えながら、切っていく「板切り」·材質を揃えて木目の重なりに重点を置きながら、部材が不均衡にならないように組む「板組み」。
蟻ほぞ組み
接合部をより強くするため、ほぞを用います。
枠組み
簞笥本体の組み立ては、木釘を使って、より確かに作られます。
引き出し、前板、仕込み
引き出しは外枠より、大きめに作り、隙間のないように少しずつ削って合わせて行きます。
うづくりがけ
木地を調整してからうづくりがけをし、柾目を立てます。(うづくり=カヤの根を束ねたもの)
塗装
砥の粉とヤシャブシの実の混合液で3回ほど刷毛塗りをします。自然乾燥をした後、木目に沿ってロウを均一にかけ、磨きます。
金具付け
錠、引き手、扉、引き戸などに慎重に取り付けます。